こんにちは。河野由香です。
「Raspberry Piってなに?」に加えて、「Scratchってなに?」という質問も受けました。そこで今回はScratchについてまとめます。
1. Scratchとは
Scratch(スクラッチ)とは、ブロックを組みあわせることで、プログラミングができるソフトウェアです(プログラミングについては「プログラミングで身につくこと」をご参照ください)。
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ(Media Lab)で開発されています。「クリエイティブな考え方のできる子供を育てること」を目的として開発されました。
プログラミング言語を使った場合は、文字でプログラムを作成しますが、Scratchでは、ブロックを組み立てることでプログラムを作ります。このようなプログラミングをビジュアルプログラミングと呼びます。
例えば下の図(図1)。キーボードの矢印キーでキャラクター(絵)を動かしたい時、「右向き矢印キーが押された時」、「10歩動かす」「次のコスチュームにする」の3つのブロックを組み合わせることで、キャラクターの動作を定義できます。
![Scratch-block](https://yukaobu.wordpress.com/wp-content/uploads/2016/06/scratch-block.png?w=560)
図1:Scratchのブロックの例
2. 何ができるの?
Scratchは、キャラクターの動きを定義したり、音を鳴らしたり、キーボードやマウスからの入力を受け付けたりできます。背景やキャラクターの絵を描くことも可能です。これらを活用して作れるプログラムはたくさんあります。
例えば、
- シューティングゲーム
- クイズゲーム
- 迷路
- 物語
- 音楽
- ロボットを動かす
などなど、様々なアイディアを実現できます。
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)にはScratch 1.4がインストールされています。Raspberry PiにはMinecraft(マインクラフト)もプリインストールされているため、Scratch 1.4からマインクラフトの操作を行うこともできます(多少の設定作業が必要です)。
3. Scratch 1.4 と Scratch 2.0の違い
現在、Scratchには下記の2種類があります。
- Scratch 1.4:パソコンにインストールして使うタイプ
- Scratch 2.0:プラウザでインターネット上のScratchサイトに接続して使うタイプ(最近、インストールして使うタイプも開発されましたが、一般的に2.0はオンラインで使うことが中心となっています)
機能 | Scratch 1.4 | Scratch 2.0 |
---|---|---|
パソコンへのインストール | 必要 | 不要 |
インターネットへの接続 | 不要 | 必要 |
作品の保存先 | 自分のパソコン | インターネット上 |
電子工作 | ○ | × |
Raspberry Piで使えるか | ○ | × |
Minecraft(マインクラフト)との連携 | ○ | × |
4. どちらのScratchを使えばいいの?
Scratch 1.4と2.0、どちらを使えば良いのでしょうか?
どちらから始めても良いと思いますが、それぞれ特徴があるので、下記のような人にオススメです。
- Scratch 1.4
- インターネットに接続しないで使用したい方
- インターネットに接続するのが(操作やリテラシーの面で)心配な方
- インターネット環境に接するのに不安のある子ども(特に小学校低学年)
- ロボットや電子工作をScratchで操作したい方
- Scratch 2.0
- より高度なプログラムを作りたい方(Scratch2.0は1.4より機能が多いため)
- 自分の作品を共有していろんな人に見てもらいたい方
- 特定のパソコンでなく、様々な場所から同じプログラム環境に接続したい方
5. まとめ
以上、Scratchについて簡単にまとめました。
7月、8月にRaspberry PiにインストールされているScratchを使った講座を実施します。
ご興味のある方は、ぜひお越しください♪
<参考文献>